神保町「DILL Coffee Parlor」|200年前の扉を開ける、静寂と美意識が共存するサードプレイス

オフィスに混じって小さなギャラリーやカフェを見つける 散策が楽しい神保町の裏通り 。「DILL COFFEE PARLOR」はその一角にあります。

200年前の木材が生み出す非日常の入口

印象的なファサードは、200年前のインドの木材を使った特注の扉と窓。

パリやロンドンなど海外の古書店を思わせる、重厚で深い趣があります。
扉を開け、タイル張りの床に一歩踏み出すだけで、まるで不思議な世界に入り込む物語の主人公の気持ちに。異国情緒を感じる上質なサロンのような空間と螺旋階段が、静かに迎えてくれます。

ー 扉の外と中。
インテリアによって人は一瞬にして気分が変わることを、ここで改めて実感しました。

クラシックとミッドセンチュリーの絶妙な調和

店内のインテリアにも、ため息が出るほど惹きつけられます。

・1階はクラシカルなヨーロッパスタイル
・2階はシンプルでレトロモダンな雰囲気

照明も家具も、それぞれのテーマで徹底して揃えられています。特に注目したいのは、パントンチェアなどミッドセンチュリ―とアンティークの組み合わせの絶妙さ。この“はずし”が、空間全体をぐっと洗練された魔法で包んでいます。

 豊かさを感じるおこもり感

入口以外は外の景色が見えない「おこもり感」もこちらのカフェの魅力。アートや鏡、ウッドシャッターの存在が、かえって気持ちに豊かさを感じさせてくれます。自分の中に向かって気持ちを向けて過ごすのにぴったりな、濃密な時間が流れる場所。


2階には、床の花模様のタイルとギャザータイプのカーテンがノスタルジックな空間を完成させていました。クラシカルな空間に現代アートを飾るという抜け感が、さらに深みを与えています。

一人で本を持って、気の置けない友達と二人でゆったりおしゃべり…
どんな過ごし方をしても、ここで過ごしたい時間が湧いてくる場所です。

私は手帳を広げながら、1階奥のキッチンが垣間見える場所で過ごしました。まるで小説を一本書けそうな豊かな気持ちに。

結論。
同じ一杯のコーヒーをいただく時間が、こんなにも変わる。

ならば、ぜひ素敵な空間で。